英語のテレビドラマは英語字幕で見るべし(通訳者・高松珠子氏)
高松珠子さんは、著名政治家からスポーツ選手まで、多くの記者会見通訳を手がけている方で、お勧めの英語勉強法として、英語のテレビ番組を英語字幕で見ることを推奨しています。しかも「法律を変えてでも、英語の番組を放送する際には英語のテロップを流すことを義務付けてもらいたい」とかなり本気の発言です。

英語のテレビドラマをテロップ付きで見るべし
-英語を学ぶ上でのアドバイスや日本の英語教育に対する意見はありますか?
高松:私のお勧めの勉強法は、英語のテレビ番組を見ることです。映画よりもテレビドラマのシリーズがお勧めです。私は責任ある立場の方に会うたびにお願いしているのですが、法律を変えてでも、英語の番組を放送する際には英語のテロップを流すことを義務付けてもらいたいと考えています。今、私の家はケーブルテレビに入っているのですが、バイリンガルの放送はやっていてもテロップは日本語だけなんですね。英語を聞きながら、日本語を読んでも何の意味もありません。言葉と音が一致することによって勉強になるんです。
日本人は中学から英語を勉強していて、たくさんボキャブラリーを持っていますから、ちょっと耳の慣れが必要なだけで、読みながら音を確認していけば、どんどん上達するはずです。
字幕があっても、どうしてもスピードが速くて聞き取れないとか、きちんと読みたいと思ったら、番組の名前とscript、脚本といれて検索すれば、脚本がアップされていたりしますから、そういうものをダウンロードしてみればよいでしょう。
なぜ私が、テレビのシリーズものを勧めるかというと、映画の場合、背景知識や時代設定、各登場人物の情報を知るために時間を使いすぎてしまうからです。テレビシリーズであれば1回で終わって、後はストーリーが進んでいくだけですから、楽だと思います。最初の2~3回は、脚本をダウンロードして、登場人物がどういう人で、どういう社会的地位にいるのかといった設定を飲み込んでしまえば、後はだんだん脚本に頼らず、見ることができるようになると思います。
また、テレビシリーズにはたくさんの番組があるので、好きなものが選べます。弁護士モノやホワイトハウスが舞台のドラマであれば、ハーバードを出た人たちが機関銃のようなスピードで難しい言葉を話しますし、「ゴシップ・ガール」とか、高校生や若い女性向けの話であれば、もう少しやわらかい英語を聞くことができます。やはり、先生が押し付けで「これを見なさい」というのではなくて、自分の好きなものを選ぶのが一番です。最終的には自分の好奇心、「これ何と言っているのか知りたい」というところから、学びが始まると思うので。
面白いものが見つかるためには、いろんな番組をたくさん公開して、全部英語の字幕をつけて、好きなものを見られるようにするのがいいと思います。逆に日本語のテロップ、日本語の音を提供しないぐらいの方がいいと思います。でも、これはそれこそ法律で義務付けるぐらいじゃないと、放送局もやらないでしょう。テロップ流すのに追加コストがかかるかもしれませんし。
また、日本語や日本文化を大切にすべき、との議論も別にあると思います。ただ、ここで申し上げたいのは、英語習得の方法として、英語を「勉強する」というより、「内容をとてもとても知りたいのでその手段として英語を理解しよう」という気持ちにさせるアプローチを提案しているのです。
海外のテレビドラマを使って英語学習する方法として「英語音声・英語字幕」に私も賛成です。私は海外ドラマはCSか
CSは日本語字幕しかないので英語字幕ではみれませんが、Huluは日本語字幕も英語字幕も設定できる(できない番組もある)ので、基本は英語字幕で見て、意味がよくわからないところは日本語字幕でみます。
「英語音声・日本語字幕」も英語を耳から聞いているので、私は十分英語学習の助けになっていると感じます。ただ、「英語音声・英語字幕」のほうが音声と字幕が一致するので英語学習効果は大きいように思います。
日本語字幕でドラマをみたときに気になったセリフがあれば、スクリプトで調べることもあります。英語スクリプトを調べるのに便利なのが以下のサイトです。たくさんのTVドラマや映画のスクリプトが公開されています。
http://www.springfieldspringfield.co.uk/
「英語音声・英語字幕」で見る方法としては、「DVD」と「Hulu」が手軽です。
Huluにはたくさんの映画やドラマがあるので気に入ったものがあればこちらの方がとてもお得です。
★参考過去記事:英語学習におススメの海外ドラマ(ジャンル別)
高松さんは最後に素晴らしいことをおっしゃっています
↓
-最後に今後自分の英語力をあげたいと考えている読者にメッセージをお願いします
高松:英語は勉強と思わない方がいいと思います。エリートや帰国子女といった一部のアドバンテージがある人が、特別な言語を使って得をするという社会は出来れば早くなくなってほしいです。インターネットを一部の人たちにしか使わせないというのと同じだと思います。英語ができるようになるというのは、“大きな図書館の鍵”を渡されるようなものです。一人ひとりの人生にいろんな可能性を与えてくれます。
また言語を学ぶことで、情報だけではなく元気ももらえると思うんです。英語がわかれば、日本の社会だけではなく、海外の起業家がどんな風に活躍しているのか、といった話題も知ることが出来ます。そういう事例をたくさん知るようになれば、中には自分でもできそうなものが見つかるかもしれません。英語がしゃべれるっていうのは、そういうことだと思います。どうも偉そうにすいません(笑)。
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