中学校の英語の授業を英語でやることについて - ほぼ毎日 英語学習日記 ~ 英語holic ~

中学校の英語の授業を英語でやることについて

2020年から中学校の英語の授業が、英語で行われることになる。というニュースが昨年末話題となりましたが、これってどうなんでしょうか!?

文部省が出した方針とのことですが、よいアイデアだとは思えません...。

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文部科学省は13日、国際的に活躍できる人材を育成するため英語教育に関する実施計画をまとめた。中学校の英語授業は原則として英語で行い、高校の授業では発表や討論などに重点を置き卒業時に英検2級から準1級程度の英語力を身に付ける目標を設定した。2018年度から段階的に導入し、20年度の全面実施を目指す。

(時事ドットコム「:英語での授業、中学から=20年度実施へ計画策定-文科省」より 2013/12/13-12:28)



文科省は「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」を発表。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、教育体制整備する考えで、小学校5・6年生で英語を正式な「教科」とすることや、教員の「英語力」を公表する仕組みを設けることも盛り込まれた。英語教員には英検準1級、TOEFL iBT 80点程度等以上を求める。

とのことですが、完全に「グローバル化」という言葉が一人歩きして、実態が伴っていない気がします。小学校での英語の授業数を増やしたり、中学校の英語の授業を英語で行えば、グローバル化に対応した人材が育つという考えはあまりに短絡的な気がします。

今の中学生は小学校のときから英語の授業があり、ネイティブの先生から教わる機会もあります。私が中学生だった20年以上前は、小学校では英語授業はなく、ネイティブから教わる機会もありませんでした。明らかに今の中学生のほうが、英語教育の環境は恵まれています。

しかし、英語力はどうでしょう?

大して変わっていないのが現実ではないでしょうか。すごくできる子というのは、おそらく学校以外で英語教育を受けている子で、一般生徒の英語力は昔も今も大して差がないように思います。

英会話に関しては以前に比べると力を入れているので、昔よりもよくなったと思います。とはいえ、昔よりはよくなっている程度で、すごくよくできるかといえば決してそうではないと思います。


今回の文科省の方針について専門家の意見はどうなのでしょうか。専門家といってもさまざまで、かなりいい加減な人もいるので専門家の意見を鵜呑みにはできません。私が是非意見を聞きたいと思ったのが鳥飼玖美子さん。

鳥飼玖美子さんと言えば、アポロ11号月面着陸を同時通訳した英語教育の第一人者であり、最近では早期英語教育反対者のひとりとしても知られています。

参考記事:これからの英語(鳥飼玖美子)

ネット検索したら鳥飼玖美子さんの見解が見つかりました。

鳥飼玖美子・立教大教授(英語教育)は

11年度から小学5、6年の外国語活動が始まったばかり。検証もないまま乱暴だ。英語教科化による他の教科の授業時間減、指導者研修ができるかなど不安材料が多すぎる」と改革ありきの流れに疑問を投げかける。

(毎日新聞;「クローズアップ2013:英語教育改革計画 国際人求め、政財界圧力」より 2013年12月29日)



案の定、期待した通りの見解でした。鳥飼先生の見解はブレなく一貫しています。11年度から始まった小学生の外国語活動の検証がまだ行われていないのに、新しい方針がでたというのには驚きです。PDCAをなめたらいけませんよ(笑)。

また、今回の方針を決定するにあたり、試験校での検証が行われているのかも疑問です。試験校での検証データがなくていきなり全国区というのは乱暴すぎませんか!?

ということで、「中学校の英語の授業を英語で行う」ことが成功する確率は低いと予想します。

その理由としては、

1.英語でまともに教えられる教師が不足している
「英語教員には英検準1級以上」を要求するとのことですが、英検準1級程度では英語で授業をするのは難しいと思います。私は準1級もっているので準1級のレベルがどの程度かわかりますが、準1級って限りなく1級に近い人と限りなく2級に近い人がいるので、なんとも微妙だと思います。

だいたい現時点で準1級を持っていない教員が2020年にいきなり英語で授業をできるようになるとは考えにくいです。英語教師なら英検準1級程度はもっていたほうがよいと思いますが、そもそも中学の英語教師は中学生に上手に英語を教えることができれば高度な英語力はそれほど必要ない気もします。


2.英語は日本語で受けた方がわかりやすい
英文法は日本語で説明を受けた方が効率的でわかりやすいです。私は海外の語学学校に少し通ったことがありますが、そのときにすべて英語の授業でしたが、文法の説明を英語でされるのはわかりにくかったです。

しかもそのときの私の英語力は高校卒業程度はありました。それでも苦労したので、中学生がすべて英語で説明されたらチンプンカンプンになると思います。さらに教える教師が英検準1級にようやく受かったレベルだったら、説明も上手にできずにさらにチンプンカンプンになるのが目に見えています(笑)。

絶対に母国語で受けた方が効率的かつ理解度があがります。なんでもかんでも英語でやればいいってものではありません。もっと具体的に目指すべき方向性を定めることが必要だと思います。「グローバルに対応」などという漠然とした目標だとどれもが中途半端になって、結局英語力は今と大して変わらずという結果になってしまう気がします。

以上、「中学校の英語の授業を英語で行う」ことについて考えてみました。


★おすすめの本
経済界や政界の力が大きく関与してでてきた「大学入試にTOEFL等」の提言を猛烈に批判した本。今後の英語教育に危機感をもった鳥飼先生も含む著者4人組による警鐘。人の名前まで堂々と出す大胆な批難ぶりには本気度を感じました。

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