これからの英語(鳥飼玖美子) - ほぼ毎日 英語学習日記 ~ 英語holic ~

これからの英語(鳥飼玖美子)

同時通訳者として活躍されて現在は「ニュースで英会話」に出演している鳥飼玖美子さん。1年ほど前になりますが、朝日新聞に掲載された彼女の意見がすばらしかったのでご紹介します。英語学習者なら納得する方も多いと思いますヨ。

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■鳥飼 玖美子さんとは?(アマゾンの「BOOK著者紹介情報」より)

上智大学外国語学部卒業。コロンビア大学大学院修士課程修了。大学在学中より国際会議、テレビなどで同時通訳を務める。現在、立教大学教授。専門は、英語教育、通訳論、会議通訳法。「NHKテレビ英会話」の講師も務める。日本ユネスコ国内委員会委員。日本通訳学会副会長。


私は10年ほど前にNHKの語学番組で知りましたが、シニア世代の方には同時通訳と言えば鳥飼玖美子さんというくらい有名な方です。アポロ11号の月面着陸の同時通訳者として当時注目を浴びたようです。


■2010年10月20日 朝日新聞朝刊の15面オピニオン インタビュー 
「これからの英語」 より抜粋

記事の全文引用は下記に掲載されています。
朝日新聞のオピニオンに載ってた鳥飼玖美子さんの意見に寸分たがわず同意


英語はいまや国際共通語。これは多くの人が疑わないだろう。では、それはどのような英語なのか。そして日本の英語教育は。同時通訳者として活躍し、テレビやラジオの語学講師としても知られる鳥飼玖美子・立教大教授は「発想の大転換が必要」という。
(聞き手/編集委員・刀祢館正明)

-ですが多くの人は今も「学校英語イコール文法・訳読」だと思っているようです。

(鳥飼)「疑問なのは、どうして英語教育の現状が一般の人に認知されないのかということです。自分の子どもが通う学校の英語教育を知らないのでしょうか、教科書を見ないのでしょうか、不思議でなりません。政府の審議会でも、経済界の偉い人たちが『学校英語はだめですなぁ』『読み書きばっかりやって、会話が出来なければしょうがない』とおっしゃる。私が『この10年20年、様変わりしました。いまは会話中心になっているのが問題で、読み書きは出来るというのは昔話です』と言うと不機嫌な顔をされてしまいます。」

-なぜ実態が知られないのでしょう。

(鳥飼)なぜでしょうね。40代以上の人たちは中学高校時代にさんざん読み書き文法をやらされたという記憶が強く残っているんですね。なのに英語が話せない。いまの企業は厳しいですよ。話せないとだめだ、みたいな。じゃああの英語の授業は何だったんだ、と。それが怨念になっているようです」

-怨念ですか。

(鳥飼)「ちゃんと学校で英会話を教えてくれたら自分だって出来たはずだ。話せないのは学校英語のせいだ、というわけです。ニューヨークに出張して思い切って英語でしゃべったのに『は?』という顔をされた。だめだ、通じないじゃないか。これは日本の学校英語に責任がある…。その悔しさが子供の世代に向かうんです。『おまえはちゃんとやれよ』『読み書きなんかいいんだ、しゃべれないとだめだ』。でも私に言わせれば、これまで企業人が外国に放り出されて何とか英語でやってこられたのは、読み書きの基礎力があったからなんです。」

-コミュニケーション重視か文法・訳読重視か。鳥飼さんはどちらの立場ですか。

(鳥飼)「どちらも正しいんです。『コミュニケーションが大事』というのも『読み書きを重視しないとだめ』というのもその通りです。ですがいまの子どもたちはどちらもできなくなっている。もう論争はやめて、両方出来るような、しかも日本人の特性に合った、最大限の効果を出すような教育方法をみなさんで考えませんか、と言いたいですね。ある程度の基礎力を身につけたら学校教育としては使命を果たしたと思っていいのでは。あとは本人の努力です。

-グローバル化と言われる時代、我々が学ぶべき英語はどういうものでしょう。英語に対するパラダイムシフト(考え方の大転換)が必要だと主張していますね。

(鳥飼)みなさん、『世界はグローバル化した。グローバル化時代は英語が国際語だ』とおっしゃいますが、本当にその意味を理解していらっしゃるのでしょうか。英語はもはや米英人など母語話者だけの言葉ではありません。彼らは4億人程度ですが、インドやシンガポールのように英語が公用語の国の人たちと英語を外国語として使う人たちを合わせると十数億人。みなさんが英語を使う相手は後者の確率がはるかに高い。英語は米英人の基準に合わせる必要はない時代に入りました。私がパラダイムシフトと呼ぶのはそういう意味です」

-どういうことですか。

(鳥飼)「例えばノーベル賞は英語ではthe Nobel Prizeですが。日本人をはじめ英語が母語ではない人たちはtheを忘れがちです。母語話者は『theがないと違和感がある』と言う。それは彼らの勝手で、それ以外の人はなくても気にしません。意味が通じるなら、それでいいじゃないですか。これが国際共通語としての英語です

-rとlの違いもたいした問題ではなくなりますか。

(鳥飼)「全く問題ないです。様々な国の英語が母語でない人に聞かせて、理解できるかどうか調べると、rとlの違いなんて文脈でわかるんですよ

-ライス(rice)を頼んだつもりでもシラミ(lice)と受け取られる、だからちゃんと練習しろと教わりました。

(鳥飼)「でもレストランでシラミを注文する人はいないですね。theだって『ザ』でわかる。そのかわり日本人はもう少し丁寧に子音の連結や強弱のリズムをマスターしたほうが理解されやすくなるでしょう。大事なのは米英人のような発音やイディオムではなく、わかりやすさです。文法も、共通語として機能するための基本を教え、使うときには細かいことを気にせず使えばいいのです」

-国際共通語としての英語は英語から固有の文化を切り離して考えるということですか。外国語を学ぶには、その言語が話されている国の文化を学ぶ必要があるといわれます。

(鳥飼)英語には米英の文化や生活、歴史が埋め込まれています。これを全部切り離すことは現実には無理です。それが一番苦しいところですが、教える側の意識の問題だと考えています。少なくともコミュニケーションのための英語というのなら、無自覚に英米の文化を教えようとはしないほうがいい。これは相当批判を浴びるでしょうね。でも、これしか『英語支配』を乗り越えるすべはありません」

「国際共通語としての英語にはもう一つ重要な要素があります。それは自分らしさを出したり、自分の文化を引きずったりしてもいい、ということです。『アメリカ人はそうは言わない』と言われたら『アメリカでは言わないでしょうが、日本では言うんですよ』。それでいいんです」

-それはすごい。

(鳥飼)「お互いに英語が外国語で、下手な英語を話す人同士が『本当はあなたの母語が話せたらいいんだけど、ごめんなさいね』『いやいや私こそ、日本語を話せないのでごめんなさい。しょうがないから英語で話しましょう』というわけですから。日本人は日本人らしい英語を話し、中国人は中国人らしい英語を話し、でも基本を守っているから英語として通じる、コミュニケーションが出来る。これがあるべき国際共通語としての英語です



(雑記)
似たようなことを言う人はたくさんいますが、これは鳥飼久美子さんが言うから説得力があり意味をもつのだと思います。私はもう20年も前に学校教育を受けた部類に入りますので、会話より読み書き重視の教育を受けました。そのため、英語再学習を開始したときには英会話はさっぱりでしたが、文法などの基礎があったために再学習もとっつきやすく、その後の学習も比較的スムーズにいきました。

決してブロークンでいいとは思いませんが、ある程度できるようになったらそのあとは細かいことを気にするよりも、英語を使ってやりたいことに集中するほうが得策だと思っています。

「ニュースで英会話」をみていて鳥飼久美子さんのこの記事のことを思い出したので少し古い情報ですがご紹介しました。

「英語公用語」は何が問題か (角川oneテーマ21)
5.05.0点 現在の英語への過熱を憂う
5.05.0点 「英語が出来なきゃクビに」されるのか?
5.05.0点 常識の書
出版日:2010-11-10
出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
作者:鳥飼 玖美子
ページ数:183
by 通販最速検索 at 2011/10/30

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