大手重役を解雇されスタバ店員へ 体験談がベストセラー

ある朝突然に言い渡された解雇。輝かしいキャリアから一気に転落した人生を、救ってくれたのはスターバックスだった――。60代で「スタバ店員」となった元広告マンの体験談がベストセラーとなり、全米で人気を呼んでいる。近く、トム・ハンクスのプロデュース、主演で映画化される見通しだ。
CNN.co.jp(2009.02.14 Web posted)より
本のタイトルは、「How Starbucks Saved My Life(スターバックスはいかに私の人生を救ったか、の意味)」。著者のマイケル・ゲーツ・ギル氏は、米誌ニューヨーカーの記事などで知られる文筆家ブレンダン・ギル氏の息子として生まれ、名門エール大学を卒業。広告大手J・ウォルター・トンプソンに勤めた。ディオールやフォードなど有名ブランドのキャンペーン企画で活躍し、重役に上り詰めた。家庭では5児の父となり、高級車に豪華な休暇と、華やかな生活を送っていた。
だが勤続26年を迎えた5年前、朝食に招かれた席で突然の解雇を告げられる。あなたの報酬は高すぎる、若い人間に道を譲ってほしい――という理由だった。「外へ出たとたん、どっと涙が出たのを覚えているよ」と、ギル氏は振り返る。63歳にして、人生が暗転した。在任中に開業していたコンサルティング会社も店じまいし、さらに妻との離婚、脳腫瘍の宣告と、打撃が続いた。
傷心の日々が続くなか、朝のコーヒーを飲もうと入ったスターバックスで、ギル氏の人生は再び動き出す。ニューヨーク郊外ブロンクスビルの住宅地の一角。たまたま求人キャンペーン中だったその店で、店長に勧められるまま働くことに。ブランド物のスーツの代わりに緑のエプロンを着け、ラテを作ったり床を拭いたりする毎日が始まった。時給は10ドル(約900円)。
今年2月、ギル氏がCNNのインタビューに登場!
■Michael Gates Gill on CNN American Morning 詳細はCNN.com
トランスクリプト CNN.comより
ギルさんは現在もスターバックスで緑のエプロンをし、ドリンクを作ったり、床を掃いたり、トイレを磨いたりする日々を送っている。「トイレ掃除は得意なんだ。フェラーリのようにピカピカに磨いてみせる」と胸を張る。「職を失ったのは天からの贈り物だったと、今は思っている。仕事はパートタイムでも、人生はフルタイムで、これまでにないほど楽しんでいるよ。すべての終わりと思えた失業は、始まりにすぎなかったんだ」
CNNのインタビュアーは、「今、大手広告代理店の役員の職を、高給でオファーされたらどうするか」と問い、ギルさんは「決して受けない」と答える。「栄達と贅沢を求め続ける生活」には不毛を感じるし、今の地に足が着いた生活の中で「仲間とお客さんに喜ばれながら生きていくことの幸せ」には掛け替えがない、という。
上のVideoの最後で、
スターバックスは大規模な閉店で従業員を解雇しましたが、もしあなたも解雇されたら?
と問われたギルさんは次のように答えています。
Well if it happened to me again I'd be much more relaxed because it turned out to be a gift in disguise last time. And I realized that whatever happens externally, because you can't control whether you're going to be fired or whether stocks go up or down, what you can control is your internal happiness.
また自分が解雇されたとしても、前よりだいぶリラックスしていられると思う。前回、結果的にはよい方向へ変わったのだから。解雇されたり株価が変動することはコントロールできないので、たとえ外部で何が起きようと、コントロールできるのは内面の幸せだということを自覚した。
自給10ドル以下でも「豊かな生活」があることを悟り、生き生きしているギルさんでした。
■『How Starbucks Saved My Life』 全米で大人気!
私は先月この本を購入して読んでる最中です。久々に買った洋書ですが、比較的簡単な英語で書かれているのでスムーズに読めています。
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作者:Michael Gates Gill | |||
by 通販最速検索 at 2012/10/04 |
日本語翻訳版も出ました!!
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出版社:ダイヤモンド社 クリエーター:月沢 李歌子(翻訳) 作者:マイケル・ゲイツ・ギル | |||
by 通販最速検索 at 2012/10/04 |
<雑記>
ここまでの転落っぷりもすさまじいですが、その後の人生もまさにドラマのようなギルさん。人の価値観って内面でどうにでも変化するものだなぁとつくづく実感。
それにしてもこの本スターバックスを褒めまくっています。まあそういう目的もあるのかなぁと思っていましたが、どうやら本当にスターバックスは従業員にとって働きやすい職場のようです。先日CNNで放送していたスターバックス従業員の大量レイオフのニュースで、解雇されることになった従業員達がインタビューに答えていましたが、解雇という状況になっても会社の悪口を言うどころか、スターバックスに感謝している、ありがとう、、、みたいなコメントが目立ちました。そして荷物をまとめて会社を去って行く際には、従業員同士でハグして、、、と仲睦まじい光景。スターバックスって従業員を大切にしている会社なんだろうと感じました。
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